蓄電池としての電気自動車(EV)
電気自動車(EV)は住宅(家庭)用の蓄電池としても活用することができます。その仕組みやメリット、デメリットなどについて解説しています。
電気自動車(EV)とは
電気自動車(Electric Vehicle)とは、電気モーターを利用して車を駆動させる自動車です。自動車にリチウムイオン電池を搭載し、充電された電気エネルギーを使って電気モーターを動かします。
繰り返し充放電しても劣化が少なく、また出力量が大きいリチウムイオン電池の開発が進んだことによって電気自動車への注目が集まるようになりました。
価格の高さから普及はあまり進んでいませんでしたが、2011年3月11日に起こった東日本大震災を機に電気自動車に充電しておいた電気エネルギーを災害時に活用でき、また原発停止に伴うピークカットに貢献できるメリットがクローズアップされ震災前より注目を浴びることになりました。
ただし電気自動車に搭載している蓄電池を住宅用の電力源として使用したり太陽光発電システムと連携させるためには、V2H(ビークル・ツー・ホーム)と呼ばれるシステムを導入する必要があります。
2012年4月には三菱自動車が「MiEV power BOX」、2012年6月には日産自動車が「LEAF to Home」とそれぞれのV2Hシステムを販売し、トヨタ自動車は2012年末から独自のV2Hシステムの実験開始と実用化を目指して開発を進めています。
メーカー | 車種 | 電池容量 | 最大出力 | 最低価格 |
---|---|---|---|---|
日産自動車 | リーフ | 24kWh | 6.0kW | 284万7,000円 |
三菱自動車 | アイ・ミーブ | 16kWh | 1.5kW | 245万9,100円 |
トヨタ自動車 | プリウスPHV | 4.4kWh | 1.5kW | 285万円 |
参考リンク
・日産自動車:LEEF(リーフ)
・三菱自動車:i-MiEV(アイ・ミーブ)
・トヨタ自動車:プリウスPHV
電気自動車(EV)のメリット
電気自動車を導入すれば住宅用蓄電池として使用できるメリットがあります。停電時に住宅内で電気が使用できるようになり、また深夜の安い電気料金を貯めておき昼間に使用することで光熱費を抑えることもできます。
また深夜の安い電気料金を利用して充電すれば、およそ200~300円/回の料金で180~225kmの走行が可能というところも大きなメリットです。これは燃費が20km/?のガソリン車に10?のガソリンを補給することと同程度ですが、ガソリン代がおよそ120~135円/?であることを考えれば経済的にかなりお得になります。
さらに国や自治体から電気自動車の導入に対して補助金がもらえます。国は「クリーンエネルギー自動車等導入費補助事業」を整備しており、850,000円を条件として補助金をもらうことができます。
また自治体によっては独自に電気自動車に対する補助金制度を設けているところもあります。例えば東京都では電気自動車1台に対して25万円、太陽光発電システムと同時に導入することで太陽光発電システムの出力量1kWあたり2万円の補助金も支給しています。
参考リンク
・一般社団法人次世代自動車振興センター:補助金情報「クリーンエネルギー自動車(CEV)等導入費補助事業のご案内」
・東京都環境公社:クール・ネット東京「家庭用蓄電池、燃料電池(エネファーム)等に対する補助金」
電気自動車(EV)のデメリット
電気自動車のデメリットは電気自動車自体の価格が高いという点です。ただし日産リーフであれば最大78万円、三菱アイミーブであれば最大85万円、トヨタのプリウスPHVであれば最大30万円の国からの補助金が受け取れるので、蓄電池単体で導入するより大きなメリットがあります。
しかもエコカー減税が適用されるので、自動車取得税や自動車重量税が0円となり導入費用はかなり抑えられます。蓄電池単体の費用が高いというデメリットを考えると、車の買い替えを機会に電気自動車の導入を検討されてみてはいかがでしょうか?
蓄電池としての電気自動車(EV)のまとめ
- 搭載したリチウムイオン電池によって駆動させる自動車
- 住宅用蓄電池として活用でき、また安い燃費や補助金が受け取れるメリットがある
- 太陽光発電システムと連携させるためにはV2Hシステムが必要となり、設置費用がかかるというデメリットがある