メリット16.電力自由化に備えられる
太陽光発電システムを導入することにより電力の自由化にも備えられるというメリットがあります。電力自由化についてやメリットをさらに高める工夫を解説しています。
電力自由化に備えられるメリットとは
2013年11月の国会で成立した「電力システム改革法(改正電気事業法)」によって、2016年から電力が自由化されることが決定されました。電力の自由化とは、現在の電力会社以外の会社(電気事業者)が電力を販売したり、また電気料金についてはそれぞれの電気事業者が決定できるものです。
電力自由化にはメリットとデメリットがあります。これまでは地域ごとに独占していた電力会社から電気を買わざるを得なかったので、電気料金体系は電力会社が設定したもので契約しなければいけませんでした。

電力が自由化されれば新しい電気事業者から電気を買うことができるようになり、電気事業者同士の競争が活発化することによって電気料金が下がるというメリットが期待されています。
しかし十分な電気事業者が集まらないと安定した電力が供給されずに停電が頻発したり、現在の電気料金より値上げされるデメリットもあります。
また電力の自由化には「発送電分離」が含まれており、今まで電力会社が保有していた送電網は配送電会社が管理することになります。しかしこの配送電システムはどのような形で運営されるのか不透明な状態で、配送電のコストが大きくなれば新規事業者が参入しにくくなるという課題も残っています。
そこで太陽光発電システムを導入すれば自前で電気エネルギーを発電することができるので、新しい電力制度の下で決定される電気料金体系の影響を受けにくいというメリットがあります。
現在の従量電灯価格が20~30円/kWhで設定されていますが、40円程度にまで値上がりしたとしても太陽光発電システムで発電した電気エネルギーで日中の電力をまかなえるので、値上がりに対するリスク対策となります。
電力自由化に備えられるメリットをさらに高める工夫
電力自由化に備えるという点で考えると、売電価格が高く固定買取期間があるうちに太陽光発電を導入することでメリットをより高められます。2013年度は38円/kWhの売電価格が設定されており、固定買取期間は住宅用は10年間、産業用は20年間に設定されています。
今後は売電価格が下がっていくと予想されており、また固定買取制度も短くなると考えられています。電力自由化による電気料金変動の影響を受けないためには、できるだけ早く太陽光発電を導入することでメリットをより高めることができます。
また蓄電池を導入することによって、夜間に使用する電気エネルギーも太陽光発電システムで発電した電気エネルギーを使用できるようになります。そうなれば夜間に使用する電気は電力会社から買わなくてもよくなり、電気料金の値上げリスクに対してさらに備えることができます。蓄電池はまだまだ高いですが補助金制度もあるので、導入を検討されてみてはいかがでしょうか。
電力自由化に備えられるメリットのまとめ
- 新しい電気事業者がうまく参入できなければ電気料金が値上がりするリスクがある
- 電気料金の変動に備えるため、太陽光発電システムを導入することにより使用する電気エネルギーを自前でまかなう
- 蓄電池を導入すれば夜間の電気料金にも左右されないというメリットがある