太陽電池モジュールの変換効率
太陽電池モジュールの変換効率とはどのような数値なのでしょうか?変換効率の高さによるメリットとデメリットについても解説しています。
太陽電池モジュールの変換効率とは
太陽電池モジュールの変換効率とは、照射された光エネルギーをどれだけ電気エネルギーに変換できるかを示す数値です。光の量と温度を同じ条件にした場合に、単位面積あたりの発電量を表しています。
設定条件は、AM(エアマス)1.5、放射照度1000W/†、モジュール温度25度、とJISによって定められています。
参考リンク
・産業技術総合研究所:太陽光発電工学研究センター「性能の測り方」
変換効率の計算方法は次のように求められます。太陽電池モジュールの公称最大出力を太陽電池モジュール1枚あたりの面積で割ったものが、変換効率の数値となります。

例えば、公称最大出力が200Wで面積2㎡の太陽電池モジュールの変換効率は、200 ÷ 2 ÷ 1000 = 10%(1000w/㎡) となります。変換効率は太陽光発電システムの最大出力量を計算する際にも使用されます。
カタログには「セル効率」や「モジュール効率」の名前で記載されている場合があります。セル効率は太陽電池(セル)1枚あたりで計算した数値、モジュール効率はソーラーパネル1枚あたりで計算した数値となります。
太陽電池セルをソーラーパネルに組み立てると配線などのエネルギーロスで若干効率は下がりますが、基本的にどちらも同じ性能を示しています。
変換効率が高い太陽電池モジュールのメリット
変換効率が高い太陽電池モジュールは、設置可能な面積が少ない場合でもたくさんの電気を発電できるというメリットがあります。日本の住宅の屋根はあまり広くないので、限られた面積の中で発電量を増やそうと思えば変換効率の高い太陽電池モジュールを選ぶ必要があります。
太陽光発電システム全体の最大出力量が増えれば補助金をたくさんもらえるというメリットがあるので、変換効率の高い太陽電池モジュールを選ぶのも1つの選択肢です。
また変換効率が高い太陽電池モジュールほど小さな光でも発電しやすい傾向があるので、曇りの日はもちろん薄暗い早朝や日が落ちた後でも発電量が落ちにくいというメリットもあります。
変換効率が高い太陽電池モジュールのデメリット
変換効率が高くなるほど太陽電池モジュールの価格も高くなるというデメリットがあります。そのため商品価格と比較検討しながら、変換効率ができるだけ高い太陽電池モジュールを選ばれることをおすすめします。

太陽電池モジュールの総費用(商品単価×設置枚数)を太陽光発電システムの最大出力量(kW)で割れば、太陽電池モジュールの費用対効果が簡単に導き出せます。例えば太陽電池モジュールの総費用が140万円、最大出力量が3.5kWだとすると、1kWあたりの価格が40万円となります。
太陽光発電システムの導入には他にもパワーコンディショナーなどのシステム機器が必要になりますが、太陽電池モジュールの性能を比較検討したい場合は参考にしてみてください。
変換効率のまとめ
- 照射された光エネルギーをどれだけの電気エネルギーに変換できるかを示す数値
- 変換効率が高いほど少ない面積でもたくさんの発電できるなどのメリットがある
- 変換効率が高い太陽電池モジュールは価格も高いので、必ず費用対効果を比較検討してみる