据え置き型と屋根(建材)一体型
太陽電池モジュールには据え置き型と屋根一体型がありますがどのような違いがあるのでしょうか?それぞれの特徴やメリット・デメリットについて解説しています。
据え置き型と屋根一体型の違い
太陽電池モジュールには屋根の上に載せる「据え置き型」と屋根材と一体になった「屋根(建材)一体型」の2種類があります。
据え置き型は瓦やスレートなどの屋根材の上に架台を設置し、架台の上に太陽電池モジュールを取り付け固定します。屋上のように水平の屋根(陸屋根)に設置する場合は、架台を三角形に組んで太陽電池モジュールを載せる形になります。
架台を屋根に固定させる方法は屋根材によって異なるので、施工業者にどのような施工方法をするのかしっかりと確認しておくことが大切です。
屋根(建材)一体型の太陽電池モジュールは、屋根材の中に防水処理を施した太陽電池セルをはめ込んだものです。据え置き型のように架台を載せる必要がなく、見た目がきれいに仕上がるというところが大きな特徴です。
据え置き型のメリットとデメリット
据え置き型の太陽電池モジュールは、架台と屋根材との間にすき間があるので熱が逃げやすく、高温による変換効率の低下が起きにくいというメリットがあります。特にシリコン結晶型の太陽電池モジュールは熱による影響を受けやすいので、据え置き型で設置されるケースが多いです。
また、架台から取り外すことによって簡単にメンテナンスできる点もメリットの1つです。発電量の異常を発見した場合は1つ1つの太陽電池モジュールをチェックするで比較的容易にメンテナンスすることができます。また中古で買い取ってもらえるのも据え置き型のみとなっています。
据え置き型のデメリットは雨漏りのリスクがあるという点です。瓦屋根やスレート屋根の場合は屋根材に穴を開けて下地材にアンカー(固定金具)を取り付け、再び穴を充填剤で埋める「アンカー工法」が一般的です。
穴に埋める充填剤(コーキング)が経年劣化によってすき間が生まれ(コーキング切れ)た場合は雨漏りするリスクがあります。穴を開けない工法もあるので施工業者に施工方法について事前に確認するようにしましょう。
屋根一体型のメリットとデメリット
屋根一体型のメリットは見た目が美しいという点です。遠くから見れば太陽電池モジュールが載せられているかあまり分からず、すっきりとしたデザインに仕上げることができます。また屋根一杯の面積まで施工できるので最大出力量を増やせるという利点もあります。
据え置き型とは異なり屋根材に穴を開けることはないので、雨漏りをするリスクはありません。ただし太陽電池モジュールが発電する際に発生させる熱を逃がすすき間がないので、暑い夏などは発電量が落ちてしまうデメリットがあります。
また簡単にメンテナンスができないという点が大きなデメリットです。配線経路が多い屋根一体型は、接合の不具合によって太陽電池セルが故障しやすいリスクがあります。屋根の葺き替えは10~20年に一度は必要だと言われていますが、屋根材としての防水機能が劣化している場合はすべての屋根材を葺き替える必要があります。
固定資産税がかかるのもデメリットの1つですが、1kWあたり年間500~1,000円程度ですのであまり大きな欠点ではありません。
設置方法 | 家屋と一体型 | 架台に設置 | 家屋以外に設置 |
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太陽電池モジュール | 家屋 | 償却 | 償却 |
架台 | 家屋 | 償却 | 償却 |
屋根一体型を選ばれる場合は屋根材としてのメーカーと施工保障期間、屋根材の推奨葺き替えサイクル、故障した場合のアフターフォロー、設置費用と回収期間の目安などを入念に確認されることをおすすめします。
据え置き型と屋根(建材)一体型のまとめ
- 太陽電池モジュールには大きく分けて屋根材と架台に固定させる据え置き型、屋根材に太陽電池セルがはめ込まれた屋根(建材)一体型の2種類がある
- 据え置き型は高温による発電量低下の影響を受けにくいが、雨漏りしてしまうリスクがある
- 屋根一体型は見た目のデザイン性が良いが、メンテナンスが大変だというデメリットがある