水力発電
水力発電とはどのような発電システムなのでしょうか?発電のしくみや太陽光発電との違い、メリットやデメリットについて解説しています。
水力発電とは
水力発電とはダムから落下する水の力や川を流れる水の力を利用して、発電タービンを回し電気を作る発電システムです。落差があれば水の流れが発生するので、一定以上の水があれば設置することが可能です。
ダム湖を使って水力発電するしくみは、まず「取水口」と呼ばれる部分に水を集め「水圧管路」へ流します。取水口の入口にはフィルターが設置されており落ち葉や水中のごみを取り除きます。水圧管路に流れた水は圧力をかけられて発電部分へ送られ、水力によってタービンが回転します。
水力発電の場合はタービンが水車となっており、水の力をダイレクトに伝えられるという特徴があります。そのため再生可能エネルギーの中では発電効率がよく、費用対効果が高い発電システムです。
水力発電のメリット
水力発電のメリットは水さえ確保できれば安定して発電できるという点です。ダム湖によって水を安定的に確保することができれば、年間を通じて一定の発電量が期待できます。
また発電プロセスで二酸化炭素(CO2)などの物質を排出しないクリーンな発電システムというメリットがあります。太陽光発電にもクリーンなエネルギーというメリットがありますが、水力発電もエネルギー源が無制限でありながら汚染物質を排出しないという特徴があります。
水力発電が太陽光発電と大きく異なるのは夜間にも発電できるという点です。太陽光発電は夜間に発電できないというデメリットがありますが、水力発電は時間を問わず発電できるメリットがあります。
また、原子力発電で発電した電気エネルギーを使って、貯水ダムに水を汲み上げることで「揚水ダム」を作ることができます。揚水ダムは蓄電池の役割を果たすことができるので、ピークカットに貢献できるというメリットも生まれます。
水力発電のデメリット
水力発電のデメリットとしてまず挙げられるのが生態系への影響です。貯水ダムなどを建設する場合は河川生態系への影響は大きく、希少種が絶滅するなどのリスクが高まります。
水の流れが止まると河川へ流れる栄養分が減少し、また周辺の土砂を削ることにより水質の悪化なども懸念されています。
また確保する水量によって発電量が左右される点もデメリットの1つです。干ばつなどで降雨量が減った場合は貯水ダムに貯めれている水は水道水として優先的に使用されることになります。そのため発電に使用できる水が減ってしまい、水力発電で発電できる量も減ってしまいます。
特に夏場に水不足に陥ると昼間のピーク消費時間帯に水力発電で発電できなくなるので、ピークカットに貢献できるというメリットが失われてしまいます。発電コストや環境への影響も含めて建設には入念な計画が必要とされる発電システムです。
水力発電のまとめ
- 水が落下する力を利用して発電するクリーンな発電システム/li>
- 水量を確保できれば年中安定して電力を供給できるというメリットがある
- 貯水ダム建設により周辺環境の生態系に与えるインパクトが大きいというデメリットがある