高周波絶縁トランス方式
パワーコンディショナーの高周波絶縁トランス方式とはどのような特徴があるのでしょうか?メリットやデメリットについて解説しています。
高周波絶縁トランス方式とは
太陽光発電システムでは、太陽電池モジュールで発電した電力を一定の電圧に保つためにパワーコンディショナーで調整する必要がありますが、高周波絶縁トランス方式ではトランスレス方式とは異なり変圧器(トランス)で調整を行うタイプです。
また、トランスレス方式では直流電流と交流電流の間が絶縁しておらず、万が一の故障の際には直流電流が住宅内や電力会社の電気系統に流れてしまうリスクがありました。

高周波絶縁トランス方式では、高周波変圧器(トランス)を回路に入れることによって確実に直流電流と交流電流を絶縁させることができます。
高周波絶縁トランス方式のメリット
高周波絶縁トランス方式のパワーコンディショナーでは小型化された高周波変圧器で電圧の調整と絶縁を行うので、機器の大きさが非常にコンパクトというメリットがあります。そのため住宅用はもちろん産業用のパワーコンディショナーとしても広く使用されています。

また確実に高周波変圧器で絶縁しているので、絶縁トランスを設ける必要がありません。三相200V方式で電力会社の電力系統と接続する場合は絶縁トランスの設置が必要になりますが、価格が高く変換効率も悪くなるなどデメリットばかりです。
高周波絶縁トランス方式であれば絶縁トランスを設ける必要がないので、経済的にも大きなメリットがあります。
高周波絶縁トランス方式のデメリット
高周波絶縁トランス方式のデメリットは、回路も複雑になっているため製造コストが高いと言う点です。トランスレス方式のパワーコンディショナーに比べると、同程度の機能であれば5~10万円程度価格が高くなっています。
太陽光発電システムを住宅に設置される場合はトランスレス方式のパワーコンディショナーで十分です。三相200V方式で電力会社に売電希望の方は、直流電流の絶縁が必須となるので高周波絶縁トランス方式のパワーコンディショナーを選ぶようにしましょう。
高周波絶縁トランス方式のまとめ
- 高周波トランス(変圧器)が電圧を調整し、直流電流を絶縁する機能を持つ
- 軽量でコンパクト、絶縁トランスを設けなくても良いというメリットがある
- 製造コストがトランスレス方式に比べると若干高くなっている