マルチストリング方式
パワーコンディショナーのマルチストリンク方式はどのような特徴を持っているのでしょうか?メリットやデメリットについても解説しています。
マルチストリング方式とは
マルチストストリング方式とは、回線の数が複数あるタイプのパワーコンディショナーです。通常は「単一型」や「集中型」と呼ばれるタイプで、回線が1つしかありません。
それに対してマルチストリング方式では、太陽電池モジュールを直列につないだ太陽電池ストリングごとにそれぞれの回線があり、独立してパワーコンディショナーに接続することができます。

単一型のパワーコンディショナーへの接続方法は、太陽電池ストリングの配線をいったん接続箱(接続ユニット)へ集め1本の配線にまとめてから接続します。また南面に配置した太陽電池モジュールで発電した電圧と、東・西面に配置した太陽電池モジュールで発電した電圧は太陽の位置によって常に異なるので、南面側の電圧に合わせるために東・西面から送られる電力には昇圧器を間に入れる必要があります。

マルチストリング方式のパワーコンディショナーへの接続方法は、設けられている回線数以下であれば太陽電池ストリングごとにそれぞれ直接回線に接続できます。最大電力点追従機能(MPPT)つきのコンバーターによって、それぞれの電圧を調整しながら最大の電力を生みだすための動作点をコントロールします。そのため、それぞれの太陽電池ストリングの発電量を最大まで高められるというメリットがあります。
マルチストリング方式のメリット
マルチストリング方式は昇圧機能と回線を1つにまとめる機能を備えているため、単一型に必要な昇圧器や接続ユニットが不要になり、機器設置にかかる費用を抑えられるというメリットがあります。
またMMPT機能によって太陽電池ストリングごとに独立して発電量を最大まで高めてくれるので、単一型のパワーコンディショナーに比べて総発電量が大きくなるというメリットもあります。接続箱や昇圧器を経由しないので無駄なエネルギーロスも起こしにくく、住宅用はもちろん大規模な産業用太陽光発電システムにもおすすめの回路形式です。
マルチストリング方式のデメリット
マルチストリング方式のパワーコンディショナーは単一型に比べて少し商品価格が高いのがデメリットです。ただし接続箱や昇圧器が不要になるためコスト面でのデメリットはあまりありません。
単一型のパワーコンディショナーの中には高い変換効率を達成している商品もあります。小規模な太陽光発電システムや、出力が高い太陽電池ストリングをつなげる単独で接続する場合におすすめです。
参考リンク
・パナソニック:マルチストリング型パワーコンディショナー
・サンテックパワージャパン:公共・産業用パワーコンディショナー
マルチストリング方式のまとめ
- 太陽電池ストリングの回路ごとに直接パワーコンディショナーへ接続できる
- 昇圧機能や接続機能があるため、余計な機器にかける費用を抑えられる
- MMPT機能がついているた太陽光発電システム全体の発電量を高められるメリットがある