ダブル発電を導入するメリット
太陽光発電システムとエネファームを併用するダブル発電システムで生まれるメリットについて解説しています。メリットをさらに高める工夫も紹介しています。
メリット1.売電量を増やせる
ダブル発電システムを導入することで売電量を増やせるというメリットがあります。太陽が出ている日中は太陽光発電システムとエネファームを使って発電することができますが、エネファームで発電した電気エネルギーを住宅内で使用することによって太陽光発電で発電した電気エネルギーをより多く電力会社に売電することができます。

太陽光発電システムのみでは太陽光発電システムで発電した電気エネルギーを優先して使用しますが、エネファームを導入したダブル発電ではエネファームで発電した電気エネルギーを優先して使用することになります。
上のグラフでオレンジの点線で囲まれた緑の部分が太陽光発電システムとエネファームでまかなう電力量となります。余った余剰電力はすべて電力会社に売電できることになります。
システム出量 | 10kW以上 | 10kW未満 | 10kW未満 (ダブル発電) |
---|---|---|---|
売電価格 (1kWhあたり) |
37.8円 (36円+税) |
38円(税込) | 31円(税込) |
固定買取期間 | 20年間 | 10年間 | 10年間 |
注意しなければいけないのは、ダブル発電にすると売電価格が下がってしまうというデメリットがあります。H25年度の場合は太陽光発電システムのみだと1kWhあたり38円ですが、ダブル発電での売電価格は1kWhあたり31円となります。
ただし、ガス会社は売電価格の下落分を補てんしてくれるキャンペーンを実施しています。例えば東京ガスでは太陽光発電システムのみとの売電価格の差である7円/kWh分を、電力会社へ売電した量に乗じて現金を支払ってくれる「エコキャッシュ」制度があります。
参考リンク
・東京ガス:太陽光とのダブル発電「ダブル発電応援キャンペーン」
メリット2.補助金をダブルでもらえる
太陽光発電システムは補助金を受けられるというメリットがありますが、ダブル発電を導入することでも補助金を受け取ることができます。補助金の金額は機器費用から23万円を差し引いた金額の半額、および工事費用の半額です。
例えば機器費用が173万円、工事費用が20万円であれば、(173万円-23万円)/2 + 20万円/2 = 75万円 + 10万円 = 85万円となります。ただし上限額が45万円までとなっているので、この場合は45万円の補助金を受け取ることができます。
補助金制度 | 計算方法 | 上限額 |
---|---|---|
補助金額 | (補助対象機器費-23万円)/2 + 補助対象工事費/2 |
45万円 |
ただし補助金を受けるためには補助金対象の機器を選ぶ必要があります。またエネファームを導入する個人、法人と施工会社に資本関係がある場合は、利益分を差し引いて機器・工事費用を申請しなければいけません。
参考リンク
・FCA 燃料電池普及促進協会:補助金制度の概要「補助金額について」
また東京都は22.5万円を限度として、機器費の1/4に対して補助金が支給されます。太陽光発電システムと同時にエネファームを導入する場合は、太陽光発電システムの最大出力量(太陽電池容量)1kWあたり2万円の補助金を支給してもらえます。
対象 | 補助金額 | 上限 |
---|---|---|
エネファームの導入 | 機器費用の1/4 | 22.5万円 |
太陽光発電システムと 同時設置 |
太陽光発電システム 1kWあたり2万円 |
19万9千円 |
参考リンク
・東京都環境公社:クール・ネット東京「家庭用蓄電池、燃料電池(エネファーム)等に対する補助金」
メリット3.天気に左右されず発電できる
ダブル発電を導入すれば天気に左右されずに発電できるというメリットがあります。太陽光発電システムのみでは雨や雪の日はほとんど発電できないのに対して、エネファームを導入すると雨や雪の日でも安定して発電することができます。
エネファームには太陽光発電システムのパワーコンディショナーと同様に自立運転機能がついているので、停電時にも発電できるというメリットを高めることができます。
また夜間にも発電できるので、太陽光発電システムの夜間に発電できないというデメリットを解消することができます。災害時にでもガス管が復旧していれば自宅で電気を使用することができるので、万が一のリスクにも備えられるというメリットがあります。
都市ガスと水道が復旧していれば自立運転機能を使って10分程度のシャワー(40℃)を使用することができるので、停電時にもシャワーを浴びたり給湯することができるというメリットもあります。
ダブル発電を導入するメリットのまとめ
- 太陽光発電による売電価格を増やし光熱費をより削減することができる
- エネファーム1台あたり45万円を上限にして補助金をもらうことができる
- 天候に左右されず発電でき夜間も発電できるというメリットがある