ダブル発電を導入するデメリット
太陽光発電システムとエネファームを併用するダブル発電システムがもたらすデメリットについて解説しています。デメリットを抑える工夫なども紹介しています。
デメリット1.導入費用が高くなる
ダブル発電を導入するデメリットとしてまず考えなければいけないのは、設置に必要な費用が大きくなるというものです。エネファーム単体で200~250万円、3.5kWの太陽光発電システムも200万円近くなるので、両方を合わせると400万円を超える導入費用が必要となります。
どちらとも国や自治体から補助金をもらうことはできますが、エネファームは上限が45万円、太陽光発電システムも最大で19.8万円となっているので、両方の補助金を合わせても400万円近くの初期費用がかかります。
ソーラーローンを活用すれば手持ちの資金が無くても売電価格が高いうちに導入することができますが、金利もかかるため導入費用を回収するための期間が長くなってしまいます。
デメリット2.売電価格が下がる
ダブル発電を導入すると生じる2つ目のデメリットとして、売電価格が下がるというものがあります。太陽光発電システム単体の場合は売電価格は38円/kWhと設定されていますが、エネファームを設置したダブル発電の売電価格は31円/kWhと売電価格が低くなります。
システム出量 | 10kW以上 | 10kW未満 | 10kW未満 (ダブル発電) |
---|---|---|---|
売電価格 (1kWhあたり) |
37.8円 (36円+税) |
38円(税込) | 31円(税込) |
固定買取期間 | 20年間 | 10年間 | 10年間 |
現在ではエネファームの普及のためにガス会社が7円/kWh分の差額を補てんしくれるキャンペーンを実施していますが、キャンペーンが終われば31円/kWhの売電価格となります。
デメリット3.設置スペースが必要
ダブル発電を導入する際にもう1つ注意しなければいけないのは、設置スペースや搬入経路を確保しなくてはいけないという点です。エコキュートを設置する場合と同様ですが、メンテナンススペースを含めて奥行き750mm×幅2700mm×高さ2000mm程度の設置スペースが必要です。
特に気をつけなければいけないのは、エネファームの搬入経路です。道路側から設置場所までの搬入経路として、1m以上の通路を確保することが望ましいです。基本的に2人で抱えて運ぶことになるので、建物の奥にお風呂があるような住宅ではエネファーム設置場所について入念に設計する必要があります。
またお隣さんとのトラブルに発展するケースがあるので、建物の外周部(犬走り)に設置する場合は事前にお隣さんから了承を取られた方がトラブルを防止するという意味でもおすすめです。

隣地との境界側に設置スペースがない場合は、道路側にある駐車スペースや庭などにエネファームを設置することになります。駐車スペースに余裕がある場合は問題ありませんが、駐車している車とエネファームの距離は1m以上離されることをおすすめします。
参考リンク
・東京ガス:エネファームとは「製品仕様(設置条件)」
ダブル発電を導入するデメリットのまとめ
- 太陽光発電システムと同時に導入すると400万円近くの初期費用がかかる
- ダブル発電になると売電価格が31円/kWhに下がるデメリットがある
- エネファームの設置スペースのために建物の設計や配置計画、駐車スペースに制限が加わることになる