エネファーム
エネファームとはどのような設備なのでしょうか?エネファームの仕組みやメリット、デメリットなどについて解説しています。
エネファームとは
エネファームは都市ガス(天然ガス)の中に含まれている酸素とメタンを使って、発電と給湯を行うことができる設備です。エコキュートは自然冷媒と電気を使ってお湯を温めるのに対し、エネファームは「燃料電池ユニット」とガスで発電し、発電で生じた熱エネルギーを「貯湯ユニット」へ送りお湯を温めることができます。

天然ガスの主成分であるメタンには水素原子が数多く含まれており、空気中の酸素と結合させることによって電気エネルギーを発生させます。燃料電池ユニットの中には直流電流を交流電流に変換させるインバータが内蔵されており、住宅内で使用できる交流電流として供給されます。

エネファームのメリット
エネファームのメリットはエネルギー効率が高いというところです。火力発電所から送られる電気エネルギーは、発電過程や送電途中でのエネルギーロスがありエネルギー効率は40%程度だとされています。
エネファームは発電(設置)場所から住宅内までの距離が短く、また発電過程で生まれた排熱を使って給湯も行うのでエネルギー効率はおよそ90%と非常に高くなっています。
エネルギーロスも少ないことから省エネ性も高く、CO2の排出削減にも貢献できるというメリットがあります。エネファーム1台あたりのCO2の年間削減量はスギに換算すると年間100本分に相当し、4.5kWの太陽光発電システムを導入することと同じ程度の効果をもたらします。

またエコキュートと同様に自動でお湯張りができる機能や追い焚き機能も付いているので、快適にお風呂を楽しむことができます。ただし設置場所から浴槽までの距離が25mを超えると追い焚き機能が十分に発揮できない恐れがあるので、施工業者に確認するようにしましょう。
エネファームのデメリット
エネファームのデメリットはまだまだ機器費用が高いという点です。機器費用で200万円弱、工事費用も含めると250万円近くかかるので国や自治体からの補助金をうまく活用して導入コストを抑えることが大切です。
エネファームのもう1つのデメリットは都市ガスの供給がストップすると使用できなくなるという点です。阪神大震災時の復旧日数で比較すると電気はおよそ1週間、ガスが3ヶ月近くかかっていることを考えると、災害時にエネファームの発電と給湯を期待することはあまりできないという欠点があります。
阪神大震災時のライフライン復旧日数 | |||
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ライフライン | 復旧日数 | ライフライン | 復旧日数 |
電気 | 7日間 | ガス | 85日間 |
電話 | 15日間 | 水道 | 91日間 |
ゴミ処理 | 35日間 | 下水道 | 135日間 |
エネファームのまとめ
- 都市ガスに含まれるメタンと空気中の酸素を反応させて発電し、排熱したエネルギーを使って給湯できる設備
- 効率的にエネルギーを使用しCO2排出削減にも貢献できるというメリットがある
- 導入コストが高く災害時にはあまり活躍できないというデメリットがある